新世界
文章が巧みすぎる!
読んでいて全く飽きがこなくて一瞬で読み終わりました。
これからは貯金ではなく、信用を貯める、貯信時代が来る。
信用を稼いでいればいつでも換金でき、生活できる。ホームレス小谷さんの日給50円の仕事の話でとても信憑性が生まれました。
えんとつ町のプペルの製造、販売方法はこれまでの絵本の常識とは全然異なる。
まず、絵本を作る際、空の絵が得意な人、キャラクターの絵が得意な人などで得意分野に特化した分業制で絵本の製作を行う。
これまで分業制をしようとしてきた人がいなかったわけではなかったはずだがギャランティの問題で、一人で絵本の製造を行なってこざるを得なかった。お金がないという問題である。
このお金の問題を解決するのがクラウドファンディングである。
クラウドファンディングとは寄付型のものを想像されると思うが、リターンを求めるタイプのものもある。例えば、ファンドしてくれた方に、西野が完成した本にサインを書いて自宅まで郵送するなどがある。
これはつまり先行販売(予約)としてお金を集めているのである。
絵本を無料公開に踏み切ったのもすごい。
絵本業界で未だにベストセラーとなっているのは私たちが子供の頃読んだ、腹ペコあおむし
などである。親は本の内容を知っていないと購入に踏み切る決心がつかない。
無料公開で内容を見てもらって、子供に読み聞かせるツールとして絵本の現物を購入してもらうよう戦略的に無料公開を行ったのだ。
文字とお金を交換して文字自体を貨幣代わりに使用するという構想。信頼されている人ほどたくさんの文字が集まるのは納得です。
もう一度読んで内容を咀嚼したい。
お勧めの1冊です。